みなさん、不動産会社にだまされちゃだめです!
情報に踊らされる、情報弱者にはならないでくださいね!
コラムを読む有名ファッションブランドで家具レーベルを立ち上げた夫のヨウスケさん。同じ会社の飲食部門でフードスタイリストとして活躍する妻のマリコさん。ライフスタイル提案のエキスパートであるふたりは、自分の家ではどんな家づくりをしたのでしょうか。
取材にお伺いしたのは、陽の光が柔らかく降り注ぐ休日の午後でした。
ふたりが勤務するのは、都内に本社を構える有名アパレル企業。服飾だけでなく、家具の販売、飲食店などライフスタイル全般を扱っている。
ヨウスケさんは、有名な家具レーベルを立ち上げたプロデューサー。たとえば、寝室にあるベッドは彼が手がけたブランドのもの。インダストリアル系の定番家具をいくつも世に出してきた。
「ぼくはもともとファッション部門にいました。会社が、アメリカンヴィンテージ家具を買付し、リペアして販売する企業を買収したことをきっかけに、新規家具レーベルの立ち上げの機会を頂きました。初期の頃は本当に人がいなかったので、商品の企画も仕入れも、店頭の接客も全部やってました」(ヨウスケさん)
妻のマリコさんは、フードスタイリスト。本業で業務用の設備や道具を使っていることもあって、ご自宅のキッチンも、その基準を踏まえた作りになっています。
笑顔がとても魅力的なふたり。取材中、終始なごやかな雰囲気でした。
ふたりは、なぜ中古マンションの購入を選択したのでしょうか。
「結婚して、最初はぼくがもともと住んでたところに彼女に来てもらいました。結果として手狭になったので、広い賃貸に引っ越すか、買うかの選択肢を考えました。一時期は賃貸も探したんですが、全然ピンとこなくて。ふたりで住む広さで探すと、意外と家賃が高いんですよね」(ヨウスケさん)。
結果的に、家を買う方向に進んでいきました。ふたりが住む場所を選ぶ基準として考えたのは、“会社からタクシーで3,000円圏内”であること。「広さはあまり確保できなかったとしても、近いほうがいいと思ってました。せっかく買っても、通勤に1時間半もかかるのであれば家を買った意味がないと思っていました。職場から割と近い家を私たちは希望してたんですよね」(マリコさん)
床に使用したのはオークの無垢材。床材は部屋の印象を決めるものなので、慎重に選んで決めました。
インテリアのプロであるヨウスケさんがスマサガをパートナーとして選んだのは、リノベ事例の魅力と担当者の説明のわかりやすさにあったそう。
「まず、SNSで事例をみて印象に残っていて、それがめちゃくちゃ素敵でした。参加したセミナーでは、不動産の購入についてかなり突っ込んだ話をされていたのが印象的でした。とにかく説明がわかりやすい、具体的なイメージがつきやすかったと思います。嘘をつきませんと謳っているのもよかったです(笑)」(ヨウスケさん)
「設計も含めて相談の回数制限がない点が大きいですね。打ち合わせの回数制限がある会社もありますが、スマサガさんは何度でもいいということでしたので」(マリコさん)
「良いモノづくりはクライアントさんとの対話から生まれると考えています。だから、できるだけコミュニケーションは丁寧にしたいです。もともと設計事務所としてスタートした会社なので、プレゼンテーションで意見を交わすのがスマサガスタッフの楽しみのひとつかもしれません(笑)」(城戸/スマサガ)
2匹の猫と暮らしています。
「私は猫好きなので、猫がいるお家の事例(スター猫どんこちゃんの家)の印象が強かったです。陶芸家の方の家(世田谷区K邸)も、いいなと思って見ていました。いいなと思ってた方をスマサガさんが手がけられていたことが、背中を押すポイントになりましたね」(マリコさん)
ふたりが一目惚れした、1階と2階をむすぶ内階段。照明やアートを飾るのにうってつけの空間。
物件探しで、今の家にピンときたポイントは、「空間の抜け感と素敵な内階段」。「この階段がめちゃくちゃポイント高くて。なぜかというと、それまで少しでも気になる照明を見つけたら買っていたので、飾れないアイテムをいっぱい持っていたんですよね。この階段にその照明を飾ることが想像できました」(ヨウスケさん)
そして、リビングの天井は躯体現しにしたいというヨウスケさんの要望を受け、物件を再度内見する際にはスマサガの設計担当も同席。どの壁が抜けるかも含めて明確に伝えてくれたので、安心感があったそうです。
ふたりが好きなものがギュッと詰まったリビング・ダイニングの空間。
「リビングダイニングだけは好きにやりたいということを最初から決めていて、それ以外は予算次第。ヴィンテージを中心に家具、インテリアを多数持っていたので、モノが主役になるように、空間のコンセプトはシンプルな”白い箱”に。新品のシステムキッチンもついてる状態だったんですけど、取っ払うことにしました。」(ヨウスケさん)
お部屋の要素としては、対面式だった既存キッチンの位置を変えたことが大きなポイント。「空間を広く使いたかったのがひとつ。もうひとつは、対面キッチンが好きではなくて。なにかを見ながら料理をすることはないので、壁向けのほうが集中できますね。だから、変えました」(マリコさん)
「さすがプロの視点です。確かに、壁向きのキッチンは空間の利用効率につながります。もちろん、目的次第ですが。どのように暮らしたいかがはっきりしていれば、いろいろな判断が明快になりますよね」(城戸/スマサガ)
実用性と美しさを兼ね備えたキッチン。「総ステンレスにすることで、掃除が楽になります」(マリコさん)
Q.キッチンのこだわりについて教えてください。
「彼女の希望を聞くと、もう造作で作るしかないかなと思いました。でも、やりたいことをフルに入れると、予算的に収まらなさそうだったので、セミオーダーパターンか、簡易な造作かのパターンを作って、彼女に選んでもらいました。どうでしょう!?みたいな感じで」(ヨウスケさん)
「仕事では業務用なので、総ステンレスで収納はフルオープン。隠す収納よりも、ものをすぐに取り出せることが大事だと考えました。そのほかにも、オーブンはほしい、食洗機はいらないとか、いくつか条件がありました」(マリコさん)
Q.食洗機はいらないんですね。
「いらないです。いつも業務用を使っているので、家庭用は遅く感じるんですよね。業務用でないなら入れなくていいと思いました。もともと食洗機が入ってたのをなくしてもらって、その分棚にしてもらいました。キッチンの下は隠していますが、上はオープンで、わりとワンアクションでものを取れるようにしています。隠して仕舞っておいたものは使わなくなるんですよね。だから隠す必要ないかなって。オープンなところもあって、うまく隠せるところは隠す。バランスがちょうどいいかなって思っています」(マリコさん)
「たぶんプロの人って、片付けながら仕事してるんですよね」(城戸/スマサガ)
「そうです、そうです」(マリコさん)
収集してきた照明たちが、各空間のポイントとして活躍しています。
「隠すための扉は最小限でOK、食洗機もいらないと割り切れるなら、予算の割り振りがより自由になっていきます。そうすると抑え目の予算でも、フローリングなど空間全体の印象を左右する仕上げにこだわったりもできますし、リノベ設計の検討が前向きになりますよね。
特にこの物件がもともとリノベ済みだったこともあって、お金をかけるべきところと抑えるところのメリハリを賢く判断していただいて、おふたりらしいお住まいになったと思います」(城戸/スマサガ)
Q.リノベ期間は数ヶ月。どんな印象でしたか?
「忙しかったです。次々と決めなきゃいけない(笑)。期限があるのはもちろんわかっているので、割と慌ただしかったなって印象があります」(マリコさん)
「作っていく過程は、仕事がやっぱり好きなんで、そういう視点では面白かったですね。天井を全部剥がして50年前の姿を見れるのは面白かったです」(ヨウスケさん)
無駄な空間と思える廊下も、ギャラリーみたいに考えたら毎日が楽しくなる。
Q.暮らしは以前の賃貸の時と比べてどんな風に変わりましたか?
(取材にお伺いしたのは暮らし始めて2年弱の頃)
「以前はリビングセットのみだったので、ソファでご飯を食べるような感じでした。ダイニングテーブルを置く余裕もないし、結局、小さいのを買ってもその後いらなくなるよねって。きちんとテーブルで食事して、ソファでくつろぐという棲み分けができましたね」(ヨウスケさん)
「2人は物持ちなんですよ。本当にものに囲まれて生活してて、全然余裕がなかったんですが、ゆとりができて、家に帰るのが楽しみになりました。この場所が一番落ち着きます。人を呼ぶ機会も増えました」(マリコさん)
Q.これからリノベをする人に伝えたいことがあれば教えてください。
「結局予算が決まっているから、メリハリが大事だなと思います。諦めるところは諦めて、かけるところにはかける。自分たちがどうしたいかを事前に決めておけるといいですね。全部が全部叶うわけではないから、家族なら家族で共通認識をもってたほうがいいと思います」(マリコさん)
「インテリアトレンドの仕掛人が、自分の住まいをリノベーションで作った理由」用賀Hリノベーション(取材 2020/11/15)