みなさん、不動産会社にだまされちゃだめです!
情報に踊らされる、情報弱者にはならないでくださいね!
コラムを読む多くの人が20代後半から30代にかけて「そろそろ家が欲しいよね」と思うのは、単なる物理的な住居探しではなく、人生の重要な節目を象徴するものかもしれません。
子供の頃の社会や親に守られた自由から、自分のアイデンティティを確立し、社会との関係性を築いていく過程で、住まい探しは自分の価値観を見つめ直す、哲学的な営みにもなりますし、本当の自由に向かう旅とも言えますよね。
この経験は職業や立場に関係なく、カオスな時代でも自分の生き方を見失わず、本当の自由を手にする大人になるために、住まい探しは必要不可欠な経験となり得ます。それなのに、この社会はその自由を許してくれません。
戦後の経済復興から現在に至るまで、住まい探しはだんだんと商品のようになっていき、買いやすくパッケージされた消費財としての住宅を大量に流通させて、経済を回すための道具になってしまいました。
そのほうが経済効果は大きくなりますが、「哲学(目的)」と「経済(手段)」のバランスが取れていないと、そこに住んで暮らす人にとっては、自分が、自分の人生を生きているのか、他人の価値観を消費しながら生かされている奴隷のような存在なのか、わからなくなってしまいます。
かつて、日本人の幸せのゴールは新築のマイホーム購入であり、新築が最も価値が高いとされ、中古物件はスクラップアンドビルドで常に最新スペックを求めるのが当たり前でした。
このシナリオでは供給側の業界は儲かりますが、そこに住んで暮らす人は経済的な背伸びを強いられます。しかし、バブルの頃までは土地の価値も給与も上昇していたので、どんなに無理をしても、新しいものを求め続ける暮らしを維持することができました。
しかし、今の経済はそうではありません。これからの若い世代は、バブルを経験した前の世代とは違い、しっかり住まいを資産にしていくことを考えないと、これからのカオスな時代を生き抜くことはできません。
だから、早急に新築至上主義から脱却して、中古物件の価値を高めながら、⻑期的に維持管理していくストック経済の社会に移行する必要があるのです。そうすることで初めて、住まいを所有することが資産を持つこととイコールになります。
ただ、不動産業界としては、「新しいものをどんどんつくって供給する」古い価値観のまま社会が続いていく方が都合が良いのです。しかし、この流れが
すでに日本は戦後のように家が足りない時代ではなく、空き家が800万戸もあり、空き家率は13%以上です。人口減少も始まっており、このまま新築を作り続ければ、30年後の空き家率は40%に達すると言われています。その責任は誰が取るのでしょう?
それにも関わらず新築を過剰に作り続けるのは、業界は消費者を奴隷のままにしておきたいということでしょうか?
中古マンションがただ安価なだけで価値があまり高くないと考える人が多いのは驚きです。 しかし、住まいの購入を投資として考えたときに、物件価値の下落リスクを踏まえて分析すると、中古の方が新築よりもリスクが低いことが理解できます。
不動産価値は相場で決まるため、購入時に高価だった物件が、本質的な価値も同じく高いとは限りません。築年数が15年〜30年ほど経過して初めて、物件の価値というのは確定されていくのです。立地や管理状況などを分析することで、それを測ることができます。
「新築プレミアム」という相場で新築が2割り増しの価格で販売される日本の住宅市場では、新築は購入後に値下がりするリスクが高く、逆に、中古は10年20年と維持管理されてきた実績を分析すれば本質的な価値が測りやすく、その後の価値の推移が予測しやすいため、資金計画のリスクが低いといえるのです。
例えば、築年数が30年以上経過しても管理組合が機能して、管理状態が良好に保たれている中古マンションは、その後の価値の下落がほとんどないと考えて良いでしょう。さらに、優良なエリアに立地する中古マンションの投資価値は高く、街の再開発などで再度価値が上がることも十分に予想され、賢くリノベーションすれば利用価値も向上し、より資産として扱いやすくなります。
これはよくある問いですが、実際には意味のない比較です。どちらが得かは、あなたの生き方や資金計画、購入戦略によって変わります。したがって、損得だけでなく、どちらがあなたのライフスタイルに合うかを考えることが重要です。
信頼できる専門家と対話しながら、あなたの資金計画で可能になるライフデザインを検討してみましょう。適切な条件設定と物件の見極め次第ですが、賃貸より持ち家が有利になる場s合が多いと、個人的には考えます。
このコラムで説明した通り、一概にどちらがお得とは言えません。ただし、中古物件の方が価値の推移が予測しやすく、リスクが少ないと言えます。また、中古はリノベーションで付加価値を高めて住んだとしても、全体でリーズナブルに抑えられる可能性が高いです。
新築では、最初から最新のスペックや設備が採用されていますが、そのメリットがコストの高さに見合うかどうか、また予算内で立地の良さを確保できるかどうかを考えて、比較することが重要です。
資産価値の約8割は立地の良さに依存します。その点でも、中古物件は立地の良さを重視しやすく、投資としても有利になります。
一戸建てには修繕積立金がかかりませんが、その代わりに維持管理費用を自分で全額負担する必要があります。例えば、15年後に住み心地が悪くなっても修繕しないならタダですが、現実的には、修繕しなければ快適性を保つのは不可能です。
マンションでは全員の責任で計画的に修繕するため、個人の負担は一戸建てよりも軽減されます。修繕積立金はそのためにあります。
また、一戸建てでは駐車場代はかかりませんが、その分の土地代と税金を支払っています。特に、土地の価値が高い都心に近くなればなるほど、一戸建ての維持管理費は高額になります。お得という観点で単純に比較してはいけません。
これらは、一戸建てを推したい営業マンの営業トークとしてよく話されるポジショントークの一つです。ご注意ください。
この業界で「お得!」と言われる情報は慎重に見極めるべきです。新築マンションの修繕積立金が安く見えるのは、デベロッパーが販売しやすくするために、当初の修繕計画を甘く設定しているからです。
実際には、その金額のままで⻑期的な維持管理は不可能です。10年後には必ず修繕積立金の値上げや一時金の徴収を検討しなければならなくなります。これをしなければ、マンションの老朽化が進み、物件の価値が下がるリスクがあります。
中古マンションの修繕積立金が高く感じるのは、既に⻑期的な計画が立てられ、必要な金額を見積もり直しているからです。これは、住⺠全員がマンションを快適に保ち、価値を維持しようとする意思の表れです。
したがって、新築の修繕積立金が安いという理由でお得だと考えるのは誤りです。重要なのは、物件の価値を⻑期的に維持するための管理体制があるかどうかなのです。
土地神話に惑わされないでください。現実はそんなに単純ではありません。一戶建てが土地を持っているからといって、必ずしも価値が高いとは限りません。
まず、マンションでも所有権であれば土地の持ち分があります。これは、マンションの敷地全体を住人全員で共有しているため、各住戸に対応する土地の持ち分があるということです。ですから、一戸建てだけが土地の価値を持っているわけではありません。
さらに、土地の価値は立地や周辺環境によって大きく左右されます。一戸建ての土地が郊外や不便な場所にある場合、その価値は下がることがあります。一方、便利な立地にあるマンションの方が高い価値を持つこともあります。
土地神話に惑わされないでください。現実はそんなに単純ではありません。一戶建てが土地を持っているからといって、必ずしも価値が高いとは限りません。
また、一戸建ては維持管理費用が全て自己負担となるため、これも考慮する必要があります。土地の価値が高い場所であればあるほど、一戸建てとその土地を維持する負担は相当なものです。
そんなものはありません(笑)。「お宝物件」や「未公開物件」という言葉で、独自のお得な情報があるかのように見せて、メルマガ登録や資料請求、アプリへの登録を促す会社が多いですが、こうして集客し、メールや電話で営業するのが常套手段です。
実際に本当にお得な物件情報が入った場合、業者間で取引されることが多く、一般ユーザーの市場には出てきません。業者間で情報を回したほうが儲かるという業界の仕組みがあるためです。これは業界全体の問題であり、今後改善が必要だと私は思いますが、現状ではこうした状況が続いています。
基本的には、不動産業界全体でデータベースは共有されており、ユーザーと共有できる情報はほとんど未公開にできません。未公開と言いながら、自分たちが売りたい物件の特別感を煽ることはありますが、これは見せ方が上手いだけです。甘い話はありえません。
私たちは、コンサルタントとしての理念に反するため、自社HPで物件情報を前面に出すことはしていません。あなたには、しっかり自分のやりたいことを整理し、他人の情報に振り回されないで、駆け引きがなく正直で信頼し合える専門家のパートナーを、まず見つけることをお勧めします。これが成功の秘訣です。
日本では新築住宅の人気が異常に高く、中古住宅の流通が非常に少ないです。これはユーザーにとって不利な市場を作り出しており、誰かが意図的に仕掛けた価値観とも考えられます。
欧米などの先進国では、中古物件の価値が新築時に比べてそれほど下がりません。例えば、イギリスでは築200年の住宅が新築よりも高額で取引されることがあります。欧米では、中古物件をリノベーションして利用するのが一般的で、ユーザーに多くのメリットが還元されると理解されています。
そのため、日本のように新築にこだわり、不動産流通を業界任せにしている状況は少し異常に感じます。変化が求められるこれからの世代といっしょに、新しい時代の新常識をつくっていけたらと思います。