みなさん、不動産会社にだまされちゃだめです!
情報に踊らされる、情報弱者にはならないでくださいね!
コラムを読むスマサガ不動産のクライアントで、東京都心の中心スポット表参道エリアの骨董通りからほど近い場所に、築40年の中古マンションを購入して住んでいる20代の若者がいます。
築 40年の中古マンションとはいっても、購入後すぐに改修計画を立てて、現在は、自分好みの内装にリニューアルしたところに住んでいます。ですので、むしろ新築以上にデザインと素材へのこだわり度が高い、注文住宅のように体に馴染む家に住んでいるわけです。いわゆる、中古マンションをリノベーションするという考え方です。
彼はK氏といいまして某有名企業のサラリーマンです。スマサガ不動産に初めて相談に来たときから、K氏は非常にするどく時代を読んでいて…今の時代に新築のマンションを買うのは完全に自殺行為だと悟っていました。周りには、新築のほうが価値が高いと勘違いしている人がいっぱいいるが、中古マンションを買ってリノベーションするほうがよっぽど賢いし、上手く資金計画を考えれば、資産としても非常に有効なものになる可能性がある。そんな話で、当初から盛り上がっていたんです。
若いうちは、住み替えたときに、購入したときと見合った金額で売ったり貸したり出来る、中古マンションを購入するのがいい。そのほうが、自分の成長に合わせて自由に振る舞うことが出来る。つまり、家に縛られない。しかも、リノベーションで資産価値と自分自身の住み心地まで、全てをコントロール出来るのだから最高じゃないか。
こうして、K氏は、ストイックな物件選びと資金計画、そして、リノベーションの設計…の日々を経て、リーズナブルで今後とも価値を維持しやすい、都心の一等地に自分の城を持つことが出来たのです。
希望エリアと予算は最初から決まっていた。広さにはこだわらないが、場所は都心の一等地にこだわる。予算も、中古マンションを購入しリフォームして住む(リノベーション)までの合計総予算を、周辺の新築相場の約半額に抑えられるようにしたい。どうせ自宅を購入するなら、資産性を高めて、自分の将来を守ってくれる財産にしたかったからだ。
そんなK氏の要望を受け、まずは港区・渋谷区を中心に物件のリサーチを始めた。よくよく話し合った末に物件予算の上限を設定。購入予算+リノベーション費用を合計しても、周辺の新築相場の約半値である。
そんなリーズナブルな金額で、古い配管を一新して間取りも自由に出来る、フルスケルトン(中身を完全に新築同様に入れ替える)のリノベーションが完成するのだから、財産として資産性が高くなるのは当然だ。
ただし、シナリオを書くのは簡単だが…いくら広さにはこだわらないとはいっても、この先10年を見込んで売ったり貸したりするのに最適で、自分にとっても豊かに住めるレベルというのがある。
いくら価格が安いとはいえ、投資用の狭いワンルームマンションを選ぶわけにはいかない。そんなものは、今すでに一等地であっても空室が目立ち始めており、今後10年価値を維持することは困難と予想されるからだ。
そうすると、想定した購入予算で50㎡前後の物件。それも、今は安価に市場に出ていても、磨けば光る、ダイヤの原石を目利きしなければいけないというのは、かなりのプレッシャーで…。もし、普通の不動産業者を訪ねたとすれば、「ナイナイ」って手振りで暗に帰れと言われるか、ただの安物買いの銭失い物件をつかまされてしまうか、どっちかになるような、価格帯としては非常に目利きが難しい条件なのです(苦笑)。
もちろん、スマサガ不動産に不可能という言葉はないので(笑)、当然、喜々として物件を探し始めるのですが…
こういった志の高いクライアントの人生をバックアップしながら、だれもチャレンジしたことのない領域まで足を踏み込むというのは、ひとつの楽しみでもあります。
実は、渋谷区、港区というところは、築年数が古いものも含めれば、データ件数的にはそこそこヒットします。(全国につながるデータベースのネットワークから情報を拾っていきます)
しかし、スマサガ不動産では、リノベーションして中だけきれいにしても、その資産価値は全く改善しないことがわかっています。やはり、磨けば光る、ダイヤの原石のように、価値の片鱗を見せながらも安価に眠っている物件を掘り起こす必要があります。
もちろん、それは、データだけでは全てを測ることは出来ないのですけど、ある程度分析的な見方で洗っていけば、ご提案できる物件はかなり絞り込まれ、一回に見に行く物件は1〜2件程度。こうして出てきた厳選物件を、K氏といっしょに、1件、1件、丁寧に現場を検証していく…
高輪、目黒、麻布、中目黒、南平台、幡ヶ谷、表参道…
最初は、エリアが抜群に良いとか、めちゃくちゃ安い!という物件情報を得るたびにモチベーションが上がり、期待をしながら現地を見に行くのだけど。うん?
「なんか違う」「微妙」「お墓ビュー」「交通量が多すぎ」とかで…
数字には出ない「感性」の部分でくすぐられるものが、やっぱりなかなか見つからないものです。
14〜15件は見たと思います。K氏がご相談にいらしてから2ヶ月経った頃でした。
ついに、「運命のマンション」に巡り会います。
そのマンションは、以前から他の部屋でリフォーム済み物件として売りに出ていました。マンションそのものは気になって報告はしていましたが、予算が大幅にオーバーするので見に行ったりはしていませんでした。
ところで、いつも思うのですが、リフォーム済みとかリノベーション済みとかいう名前で市場に出ている見た目だけきれいな中古物件が、結構、クライアントの資産を築くのに邪魔になっているケースが多いです。
特に都心部では、大して内容を改善しないで表面の見てくれだけをきれいにした、なんちゃってリノベーションでも、ある程度ニーズがあって成約してしまうものだから、あとあと大損するような価格設定で市場に出されていますので要注意です。リノベーション済みを買う時こそ、お手軽に考えないで…ホントに価格設定と内容が見合っているか、プロの目利きを連れて行った方が良いんじゃないでしょうか。余談ですが(苦笑)…
ただ、このマンションがリフォームをしない状態で売り出してくれていれば、価値のある部屋に再生することが出来るのに…という思いがあったので、近いうちに価格が落ちてこないかと「要チェック」に分類しておいたのが功を奏しました。
定期的にその物件をチェックしていたら、リフォーム済み物件とは別の部屋で、お手頃価格で売りに出されている物件があったのです。
このとき、「コレ!キタかな?」…鼻息が荒くなったのを覚えています。
でも、今までも、現地を見に行くとがっかりすることもあったので、過度の期待をしないように出かけました。おそらく、K氏も、そんな感じだったのではないでしょうか。
現地に着いて、建物を見て、最初の印象としては、「悪くない」でした。
大きな通りに近かったので、交通量による騒音があるかな…という不安があったのですが、思っていたより静かでした。
そして、お部屋の玄関のドアを開けた瞬間!
玄関の正面の先に、視線がまっすぐ抜ける大きな窓があって、その向こうに借景の緑が見え、開放感があり部屋の感じも明るかったのです。その空気感がすごく「感性」を刺激するものだったのです。
K氏といっしょに「イイ!」「イイ!」を連発したと思います。
場所も、広さも、価格もバランスが良く、データ的にも今までの中では抜群でした。K氏が早速…(まだ契約も申し込みもしていないのに…笑)、この壁壊せるかな?とか、ここにパソコンを置けるカウンターを設置できますかね?とか、その場でイメージが膨らんできたように、話をし始めたことを覚えています。
こうして、K氏の最初の自邸になる家が決まったのです。
さて、このあと、無事に物件取得の手続きが終わり、リノベーションの設計に入るのですが、ここでもK氏はオリジナルな発想で勝負です!なんと、リノベーションの設計にじっくり時間をかけるため、まだリノベーションする前のオンボロの状態の自邸に仮住まいすることにしたのです。
実は、これは、非常に頭が良い考えで(最近、スマサガ不動産のクライアントで何人かこういう人が出てきて、ちょっとブーム?笑)、そうすれば、二重家賃(自宅があるのに賃貸に住んでいるもったいない状態)は発生しないし、時間をかければかけるほど設計は良いものになるしお金のかけ方も吟味できるので、金銭的にはものすごいお得感ですよね。
そういった計画の綿密さもあって、K氏とスマサガ不動産とで最高のパートナーシップでリノベーションに取り組めたと思います。
素材にも、意匠にも、しっかりK氏のこだわりが詰め込まれながらも、当初の計画通りの資金計画で最終着地点までやってきました。
さあ。あとは楽しい都心生活を満喫しながら住みこなしていくだけです…
こうして、K氏は、都心の一等地で素晴らしくお気に入りの自邸を、しかも、極限までリーズナブルに手に入れることが出来ました。おそらく今後ともこの自邸はK氏を支える資産としてしっかり機能し続けてくれることでしょう。
資金計画が緻密だったので、リノベーションでは、見た目のかっこよさだけではなく、長期的なメンテナンスや、今後の売ったり貸したりにも適切な仕様バランスで、かけたお金以上の価値で運用できる自邸に仕上がりました。
みんな、理屈ではわかっていても、やってみると意外になかなか、ここまでストイックにはやりきれないです。
どうしても、お手軽に引っ越しやすい段取りにこだわったり、ミストサウナ(笑)とか機能的なことにだけ目を奪われたりします。やっぱり、自邸ですから、つい、ある種のわがままな気持ちが顔を出してしまうと思うのですが…。それで、結局、みなさん、(今だけの満足にこだわって)財産としてはちょっとありえないような家を購入してしまうのです。
全てが終わって感じたことがあります。
K氏のモチベーションって一度も下がらず、常に一定のテンションを保っていたな?と…。
見に行く物件が、期待はずれのダメダメくんだったことが続いても、常に前向きで、ブレませんでした。リノベーションの設計をやっている時も、どんなに欲しい機能が出てきても、予算だけは計画通りにこだわり続けました。
確固たる信念を持ち、計画し、行動すれば、ホントに自邸が資産になるんだなあ。やっぱり、受け身じゃいけないね!ある意味、世界一の投資家ウォーレン・バフェットのような信念の凄みを感じました。
そのK氏。この自宅を持ったことで将来の安心感を得たということで、最近、この1年スパンくらいの計画で、不動産オーナーになる夢を練り始めている模様。
先日、久々にお会いして、ランチした時に、そんなお話があったのですが…さて、これからどうなっていくのか。
まだまだ、K氏の挑戦は続きますので、今後ともレポートをお楽しみに!