エリア | 東京都武蔵野市 |
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家族構成 | 夫婦+子供1 |
プラン | 1R |
面積 | 63.40㎡(壁芯) |
構造 | SRC造 |
所在階 | 9階建の4階 |
主採光 | 東 |
建築竣工年 | 1979年8月 |
不動産購入 | 2015年8月(築36年時) |
リノベ完成 | 2016年2月 |
権利 | 所有権 |
工事費用 | 980万円(設計料込) |
プロデュース | スマサガ不動産 |
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設計 | スマサガ不動産 |
施工 | 瀬在建設 |
写真 | 平林克己 |
武蔵野I |
知らない土地も、住みやすい街に変わる。 |
物件購入について初めてのことだらけだったIさんご夫妻。住む場所にこだわりたいという思いはありながらも、購入したほうがいいのか? それとも賃貸がいいのか? その段階から始まった住まい探しでした。そんなご夫妻が自分たちの希望を叶えながら、2年経った今でも”いい家だな”としみじみ思う住まいを手に入れるまでのストーリー。
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「そもそも家って、買うべきなのか?」からのスタート
造作収納やキッチンの配置を工夫して、扉がなくても個室的に使えるスペースをつくり出した。
Iさんご夫妻は結婚した当初、西荻窪の賃貸に2年ほど住んでいましたが、住宅補助もなく家賃が高いことがネックでした。
「定年後、家賃を払い続けるのは大変じゃないか」と父親から言われていたこともあり、賃貸更新のタイミングで「高い家賃をずっと払っていくのであれば、不動産を購入した方がいいのか?」と思いはじめ、西荻窪や三鷹の中古マンションを見に行ったそうです。しかし、古い間取りのまま無理やり表面だけをピカピカにした「なんちゃって」リノベーションに違和感を覚え、まあまあ高い割には微妙だなと感じたそうです。
「中古だけではなく新築マンションにも見学に行ってみたのですが、月々いくらローンを払うのか教えてもらったところ、とてもじゃないけど払える金額ではありませんでした。中古と新築合わせて3件見て、どれも値段が高い割にはイマイチだなと思いました。」(旦那さん)
このことをきっかけに、「そもそも家って、買うべきなのか?」ということから、考えるようになります。
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スマサガとの出会い
お気に入りの家具の雰囲気と馴染むように、壁の塗装色は少しグレイッシュな白を選択。
スマサガとの出会いは偶然でした。
「検索してみたら、たまたまスマサガのコラムにヒットし、サイトを読んでみると私たちの考えに合っていると思ったので、セミナーに行くことにしました」(奥さん)
申し込んだセミナーに参加した旦那さんが家に帰るや否や、「たぶんスマサガの考えは、すごく合ってると思う。それに、リノベーションって実は間取りからすべて自由に作れるんだって」と奥さんに伝え、これほどポジティブな反応を見せる旦那さんの様子は珍しく、奥さんも非常に興味を持たれました。
スマサガのセミナーでは、最初に、それぞれのライフスタイルに合わせた「住まい探しのコンセプト」の作り方についてお話をします。それを踏まえて、資金計画、物件情報の正しい見方、内見のチェックポイント、リノベーションの具体例を学ぶことで、ただ物件情報を闇雲に検索するだけではわからない、自分らしい住まい探しの方向性が見えてきます。
そのセミナーの後に、Iさんはご夫妻で個別相談にいらっしゃいました。個別相談では、どのような条件の物件を選び、どのくらいのリノベーション費用をかけるべきか? をシミュレーションして、様々な角度から分析し、具体的な予算と資金計画、求めるべき広さ、選ぶべきエリアなどを具体的に検討していき、それぞれの家族にとってのベストなマッチングを探っていきます。その方程式の解き方をスマサガ不動産がサポートします。
その方程式を解くことが出来れば、「そもそも家って、買うべきなのか?」という命題についても、自分のライフスタイルにおける正解を見つけたことになるわけです。
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住む場所に決めたのは、ほとんど降りたことのない街「武蔵境」
オーダーで製作したキッチンの天板には黒御影石を採用。
ご夫妻がこだわるべきポイントと考えたのは場所です。もともと中央線沿線に馴染みがあり、旦那さんが高円寺、奥さんが西荻窪に住んでいたこと。趣味のトライアスロンのショップが吉祥寺にあること、高尾山へのトレイルランなど、「買うんだったら中央線沿いがマストだよね。」という思いがありました。
最終的に条件に叶う物件と出会ったのは武蔵境。実は、中央線沿線とはいっても武蔵境の駅にほとんど降りたことがなかったそうですが、駅から徒歩数分で通勤も便利な立地、かつ駅前に広い公園があり、「住みやすそうだな。」とイメージできたことから、築36年(購入時)の中古マンションを買うことを決断します。
「もともとこの物件は3LDKだったそうですが、前の住人がほとんどの間仕切りを取っ払って住居兼仕事場として使っていて、コピー機やレコードなどが残っていたのもいい雰囲気で。内見の際に楽しそうな暮らしの形跡を発見することで、こういう人が住んでいた場所なら、きっといい暮らしができると感じたのも、決断できた理由のひとつです。」(奥さん)
2年ほど住んでみた今も、やっぱりここを選んでよかったとおっしゃいます。
「ここに住みはじめ、子どもができて気づいたのですが、武蔵境はベビーカーが押しやすい街です。西荻窪も好きで今もたまに行きますが、歩道が狭い中に車が走っているので、子どもを連れて歩くのはかなり気を使います。」(旦那さん)
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シンプルな部屋を素材で楽しむ
ロードバイク2台とお子さんのベビーカーを置いても、ゆとりを感じる広さの土間を設計。
「オープンハウスでお邪魔した(スマサガがリノベーションした)西荻窪のお宅を参考にしていたので、設計の際の間取りのイメージはしやすかったです。間取りの原型は数回の打ち合わせで固まりました。
こうしてほしいという要望は土間と天井のファンが欲しいことくらいでした。それ以外は、いっしょに作っていく中でどんどん教えてもらって、それって良さそうという流れで決めていった感じです。すごいなあと思いました。」(奥さん)
旦那さんはトライアスロンを趣味とされているので、気を使わずに自転車を置いてメンテナンスすることができる場所として土間をご希望でした。
実際に完成した間取りは、躯体(構造)に囲まれたワンルームのような空間を、壁ではなく、造作家具と家具のようにつくったキッチンの配置で、ゆるやかに空間を仕分けています。
土間、キッチン、水回り、リビング、寝室と、全てがゆるやかに繋がり、どこの場所にいても視線が抜ける先があり、空間を広く認識することができます。風と光の通りもよくなり、部屋の隅々まで心地よい空気を満たしてくれます。家族でご飯を食べる時間を大事にするというご夫妻のライフスタイルに合わせて、キッチンが各スペースのハブになるような位置にあるのも特徴的です。
真鍮製のドアノブ。経年変化で次第に落ち着いた色合いになっていく。
「私たちはリノベーションの知識がないので、例えば、キッチンの天板に石が使えるという選択肢も、提案がなければ頭にありませんでした。
また、真鍮が好きなのでどこかに使いたかったのですが、どこに使えるかがわからず、好きとはいえ全部真鍮だとうっとおしいかもしれないと伝えると、設計の望月さんがちょうど良い全体のバランスを考えてくれました。」(奥さん)
リビングには無垢のチーク材を採用。一部に和紙畳を敷き、ごろごろできるスペースを設けた。
床にはもともとイメージがあり、「新婚旅行でタイのチェンマイに行った時に泊まった、ホシハナヴィレッジの木の使い方が好きだったので、床に使いたいと思っていました。」(奥さん)
ホシハナヴィレッジの床材はおそらくタイチークなのですが、フローリング屋さんにいっしょに行って、イメージに近いものを探し、結果的にインドネシア・ジャワ島のチーク材を選びました。
また、お気に入りの要素とおっしゃっていた畳を、床に埋め込んだスペースも作りました。ゴロゴロできるので楽だと気に入ってくださっています。
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2年間住んでみて
Iさんご家族。
この家に住み始めた時は、まだお子さんはいませんでした。
「この家はひと部屋しかないけど、子どもが産まれてから工夫すればいいと考えていました。必要であれば新たに壁を作ることもできるし、暮らしに合わせて家を変化させられることが、リノベーションの設計を経験して分かるようになったので、大きな不安はありません。
スマサガさんに以前住んでいた家に来てもらって私たちのモノの量もみてもらっていたからか、今子どもがいる状態でも収納量はちょうどいいです。」(奥さん)
友人から「子どもは、子ども部屋にいない事が多い。」と聞いていたこともあり、当面は子ども部屋は作らない予定だそうです。
子どもが大学から一人暮らしをすると仮定したら、子ども部屋は小学生の後半~高校生までの9年間しか必要ないかもしれません。その9年間のために、広い部屋を買うための高いコストをかけることは、適切な判断なのか?ということも考えるべきポイントです。
ライフスタイルの変化に合わせてレイアウト変更を可能にする、可動式クローゼット。
リノベーションの際に可動式クローゼットを2つ作っているので、そのクローゼットを移動させながら、その時々に必要なスペースを作っていく予定だといいます。
「今は、子どもを静かに寝かせたい時に、この可動式クローゼットをリビングとの間仕切りとして使っています。
現状のちょっとした問題としては、ひと部屋しかないので喧嘩した時に一人になれる場所がないことだそうです(笑)。でも、ひと部屋にしたのは基本的には良いことの方が多く、全部見えるから部屋を綺麗にしようという気持ちになり、掃除することも増えたといいます。
「日々住んでいて、1日1回ぐらいいい家だなとしみじみ思います。もともと家にずっといるのは苦手なのですが、産休育休で長く家にいたときに、気持ちいいなと思う場所がたくさん家の中にあるので、あまりストレスがなかったです。」(奥さん)
「知らない土地も、住みやすい街に変わる。」武蔵野Iリノベーション(取材 2018/4/22)
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