みなさん、不動産会社にだまされちゃだめです!
情報に踊らされる、情報弱者にはならないでくださいね!
コラムを読むこの住まいに住む娘さんと二人暮らしのTさんがふと漏らした言葉で印象的だったのは、「家って探して見つける、というより、出会いなんだな」でした。
買った時から資産価値が減るのにローンを組んでマンションを購入する、ということにずっと抵抗があった、というTさん。賃貸で一生過ごそうと考えていたのに、中古マンションを買ってリノベーションしよう、と考えが180度変わって、憧れの空間イメージを形にして、それが結果的に住心地が良い住まいになったのですから。
最高に印象的だったのは、横浜にある住まいなのに、東京タワーとスカイツリーが同じ目線で見ることが出来るんです。何かちょっとロマンチックな感じでしょ。
駅近ながら穏やかな住宅地の小さな丘の上にある低層マンションがTさん邸。リビング側は中庭に面するためプライバシーと日当たりの良さが両立する。
最初は次に住む賃貸を探していたTさん。特にフレンチシャビーな空間と家具にこだわりがあり、娘さんもその雰囲気のある空間が好きだったこともあり、その空間を作れる住まいを探していました。
ただ賃貸だと自分たちのやりたいことに制約があり、気に入った室内を見つけることができず、スマサガ不動産の城戸の書籍を読み、実際に中古の住まいを購入してリノベーションする方法を模索するようになります。
そのときに住んでいた賃貸は、ちょっと窮屈な雰囲気があって、休みの日もよく外に出て過ごすことが多かったそうです。
まず、他リノベーション会社の説明会にも出向くことになったTさん。どの説明会に行ってもいきなり予算やどのような部屋にしたいか、など外枠の話ばかりでした。
「どんな生活を送りたいか?」「家に求めるものは何か?」「休日はどう過ごすのか?」など、生活スタイルや住まいづくりのコンセプトを尋ねて話を聞いてくれたのは、結局のところスマサガ不動産だけでした。
リノベーションで作り上げたいイメージは頭の中にあってもそれをどう具現化していくのかまでは、明確なデザインを自分の中で描けておらず、空間とそこに配置する家具やインテリアまでも踏まえてうまく伝えるのに時間がかかってしまった、というTさん。それにはまずコンセプトだ、とスマサガのスタッフが時間をかけてこだわりの空間に求めるものを聞き出してくれました。それが「娘と一緒に家の中のどこにいてもリラックスできる空間」でした。インテリアと空間を切り離し、空間を図面に移し、設計・デザインしていくまでの道のりを一つひとつ作り上げていってくれたのがスマサガ不動産でした。
バレーのレッスン用のバーと鏡。鏡壁の左はウォークインクロゼット。壁の裏に回るとワークスペース。和室だった空間の開口部をアーチにしてリビングと繋いだ。
最初は住みたい空間のイメージは頭の中にあっても、それを実現する外側である住環境という場所のイメージが明確でなかったTさんでしたが、スマサガ不動産のスタッフと実際にいくつか家探しをする中で、自身が求めている住環境がくっきりしていきます。まず、窓から外を見渡せる場所であること。風通しがよく緑が見えたり、自然と近い場所であること。そして駅から近く将来売れる物件であること。
この住まいは、たまたまTさん自身が見つけたものでした。娘さんにとって土地勘がある場所であることが必須条件であったこともあり、もともと住んでいた東横沿線を中心に探していて巡り合った物件でした。
その物件は、たまたま今まで住んでいた住居と同じ駅に在り、マンションの入口を通ったことはあっても、全く気づきもしなかった場所にある部屋でした。そんな物件へ初めて内見に来たときは、売主のご夫婦が明るくて素敵な笑顔で出迎えてくださったものの、室内の仕様は古く、天井の低さや狭さもあり、暗い印象でした。古い物件でリノベーションをしても追い炊き機能が対応できない、ということで、いったん購入することは断念したのでした。ただ土地の段差を利用した室内階段で、居室とリビングが分かれているレイアウトがとてもめずらしく、非常に印象的深くTさんには映っていました。
その後、他の候補も数件見たものの、まだ少し気になっていたこの住まいを娘さんと再内見したとき、高台にある室内をめぐる風通しの良さと居室からの見通しのよさを娘さんが気に入ったこともあり、最初に見た雰囲気と違うものを感じとったTさんはこの部屋に住むことを決めます。結果的に家探しを始めて半年程度で、現在の住まいに決めることが出来ました。
リビングから階段で寝室に。リビングと対になる寝室側の窓は丘の上からの抜群の眺望で、バルコニーから東京タワーとスカイツリーを発見できる。
最終的に決め手となったのは、スマサガ不動産のスタッフがマンションの管理状態についても太鼓判を押してくれたこと、他の居住者が長年ずっと住んでいることもあり、マンションの管理状況の良さと居住者同士がコミュニケーションをとっている姿が大きかったようです。
住んでいるみなさんがこのマンションを愛していて、その歴史を語ったり、マンション管理のための役員会もみんな真剣なんだそうです。最近はもともと住んでいる方の二代目を住み始めているそうで、子どもたちの声が聞こえるのが癒やしになるんだとか。
何度か事例紹介の中でも登場しますが、部屋の中は設計次第で変えることが可能ですが、その住まいのある環境を変えることは難しいのです。そういう意味でも、Tさんは住まいの周りの環境や立地も重要視していました。窓から見える夜景だったり道すがら綺麗に見える月だったり、マンションが持つ雰囲気や環境は住まい選びでは非常に重要な要素です。
ちなみに娘さんも学校から帰ってリビングから見える夕日や空模様、自室から見えるスカイツリーや東京タワーの夜景、朝起きて見る朝焼けから太陽が上りゆくほんの一瞬の風景、春や夏は鳥のさえずりで目覚めるこの環境が大好きなのだそうです。
素材選びやパーツ選びにこだわりが詰まっている。リビング入り口の扉はガラス入りの木框の建具にアイアンの装飾を設置したスタイル。
今回の住まいづくりでは、特に部屋のレイアウトや雰囲気を決める上で、他ではあまりない要素があります。それは積極的に娘さんも住まいづくりに参加した点です。
当時中学生の娘さんのほうがTさんよりも家にいる時間が長いことから「娘が帰ってきたくなる住まいにしたい」という想いとTさんが娘さんの美的センスに一目置いていることもあり、玄関のタイルやフローリング、ドアの色など彼女の意見も取り入れる形での住まいづくりになっていきました。特に5帖という娘さんの居室スペースのレイアウトについては彼女の意見をほぼ実現する形でスマサガのデザイナーが設計しました。とても気に入っているお部屋になり、その当時のことも楽しかった、と語っていました。
キッチンは既存のシステムキッチンを残しながらも、雰囲気を合わせるために前面にシートを貼ったり、フローリングの色は二色重ねてみたり、全室無垢材にするところを予算の都合で寝室や室内階段は絨毯にしたり、と予算が足らない事でよりらしさが出るようなデザインに。
他にも寝室に設置されるクローゼットも、この住まいはリビング側に位置しています。導線とスペースが効率化され、洗濯ものを取り入れてそのまま収納できたり、帰宅後いちいち寝室に行く煩わしさから解放されたので良かったそうです。
当初、Tさんは自分たちが今住んでいる家のコンセプトが、スマサガ不動産の事例に見ないテイストだということで、自分たちの要望を伝えることを少しはばかられたと言います。しかし、イメージを具現化していく中で、また購入にいたるまで迷ったりブレそうになるところをスマサガのスタッフが正してくれたり、設計段階ではイメージを形に変えていく中でもふわふらして迷っていたところを、スタッフが一緒に伴走しながら、住まいを作り上げていったのが本当に良かったということでした。最終的に自分の要望にあった部屋に仕上げていくことができました。
リビングの床はレッドパインの無垢材フローリングを採用。仕上げのオイル塗料は色を調合して微かにヴィンテージな風合いが加わるように。
住み始めてからは3年目に入る住まい。高台に位置し、30年前に神社の敷地だったところを切り開いて出来たマンションのため、1年目は自宅までの坂道を上って帰宅する事に慣れるのに大変だったとTさんは語ります。
内見時に暗い印象のあった南西向きのリビングも、大きな鏡を配置することで陽の光が室内に広がり、明かりがなくても十分に明るく、夏は暑いぐらいなんだそうです。
玄関からリビングと各居室を分ける室内階段は、ちょうど部屋の雰囲気を2つに分けるような印象的な佇まいで、そこはちょうど風の通り道にもなっているそうです。娘さんは暑い夏は、リビングではなく、心地良い風が吹き抜け、涼しく感じる階段に腰かけて読書しているのだとか。
寝室と他のエリアは階段で繋がる。リノベーションで扉の配置や角度を調整して、高さの変化があることで空間がより気持ち良く感じるように整えた。
以前は休日も外で過ごすことが多かったTさんが、家の中で過ごす事が増えました。あんなにこだわっていた追い炊き機能を無くしても意外にあまり困らなかったり、本当に好きで気に入った空間にいることで自分自身の求めるものが明確になっていたことも新たな発見でした。
部屋の中から夜景や陽が沈む様子を見たり。憂鬱になりがちな雨の日も部屋からの雨の音を楽しんだり。景色、朝昼夜の時間帯で、また季節ごとに変わる景観を心から気に入っている、と言っていました。
生活そのものを楽しめる空間が出来たことで、あんなに家具が欲しかったのに、家具がない空間のほうが素敵だな、と思えたり、これからゆっくりとリビングを自分たちの仕様にしていくのが楽しみなようです。
結局こうじゃなきゃいけない、と思っていたものが本当は違うものであったり、自身の中にある本当にほしいものが明確になったようです。「たぶん自分達が満足のいく空間を得たからだろうな」ともおっしゃっていて。
自分の求める空間を強くイメージして、良い出会いを通じて明確に具現化して作り上げていくことで自分たちにとって唯一の家づくりが実現される、という言葉にすれば当たり前に聞こえることを実感された住まい作りでした。
「東京タワーとスカイツリーが一緒に見える住まいは、母娘で一緒に作った素敵な空間。」菊名Tリノベーション(取材 2020/02/09)