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コラムを読む「家を購入するなら、絶対に住み慣れたエリアがいい」
住まい探しはこんな要望から始まる人も多いのではないでしょうか。
でも購入したのは、最初に希望したのとは違うエリアだった、そんな方も多いのです。今回は、第二希望のエリアで、バランスよく理想を叶えた住まいを実現したFさんご夫婦のストーリーです。
Fさんご夫婦が家を購入しようと思ったきっかけは、コロナ禍で2人ともリモートワークが中心の生活になったことでした。1日のほとんどを家で過ごすようになり、長い在宅時間でも快適に過ごせる家にしたいと思うようになりました。旦那さんが以前からリノベーションに興味があったこともあり、中古の物件探しを検討し始めたといいます。
「以前の家では、夫婦それぞれがダイニングテーブルや寝室のデスクで仕事していたので、集中できる自分の作業スペースやデスクがあるといいなと思っていました。新築は、コスパも悪そうだし間取りも壁が多いようなイメージもあったので選択肢にはなくて。これを機に、中古マンションを購入して自分たちの好みの家をリノベーションで作ってみたいと思っていました」(旦那さん)
当初の優先条件は居住エリア。住み慣れて気に入っていた神楽坂周辺で物件探しを始めたものの、このあたりは物件も少なくコストも高め。なんとか購入できる物件があったとしても、将来的に生活を圧迫してしまうかもしれないという懸念もありました。
いい物件もなかなか見つからず、このままではただ時間が過ぎてしまいそうだと感じたタイミングで話し合ったFさんご夫婦。「エリアのこだわりは少し緩めて、家を購入することを優先しよう」と軌道修正することにしました。そして、住まい探しを始めて9ヶ月、第二希望だった清澄白河エリアで良さそうなマンションに出会いました。
「第一印象は、築年数の割に綺麗な物件だなと思って。マンションの規模や立地、景観もちょうどよくて。ずっと物件探しをしていて時間がかかっていたし、以前にいい物件を見つけた時、購入を迷っていたら他の人に買われてしまった苦い経験もあったので、ここでは即決できました」(旦那さん)
「エリアを限定してしまうと、その範囲で売りに出ている物件から選ぶしかなく、候補も少ないのでどうしても競合しやすくなってしまいます。さらにペット可の条件も加わると更に限られてしまい、ご夫妻にとっては苦戦を強いられた住まい探しだったと思います。改めて住まいの優先順位を見直すという連絡をいただき、候補物件のリストを見た時に、これまでにないエリアも含まれていて、なんだか道が開けたような感じがしたのを覚えています。そこからの動きは速かったですね」(スマサガ不動産コンサルタント)
築年数の古い物件ではペットが飼えないこともよくあるのですが、2匹の猫を飼っていたお二人にとって、頭数に制限なく猫を飼える物件だったことも決め手になりました。
今になって振り返ってみても、コストが高めの神楽坂エリアにこだわって住み替えをするより、今のマンションの方が全体的にも条件のバランスが良かったし、自分たちの身の丈にあっていると感じているそうです。
納得して住まいを購入できたFさんご夫婦、いよいよリノベーションの打ち合わせに。もともとリノベ済みの物件だったので、水回りの設備はそのまま活かし、その他の間取りやインテリアを好みに整えていく部分リノベーションをすることになりました。スマサガ設計デザイナーが出した設計プランの中から採用されたのは、家全体を斜めにゾーニングするというプランでした。
「以前住んでいた家は落ち着ける居場所があまりなかったので、奥さんや猫たちともくつろげる場所が欲しいと思っていて。大きなソファが置けるような広々としたリビングが一番の要望だったのですが、寝室や水回りはコンパクトにおさめつつ、斜めの壁がリビングに向かって視覚的にも広がって見えるようなこのプランが面白いなと思って」(旦那さん)
打合せの時から、「普通の間取りよりは、ちょっと遊びがある感じがいいですね」とFさんとスマサガ設計デザイナーの意見が一致していたこともあり、この斜めの壁のプランに即決したそう。水回りや寝室への移動動線にもなりつつ、リビングにかけて広がってく開放感のあるこのレイアウトは、斬新な面白さがありながらシンプルで、機能性も確保しているプランでした。
「リノベ済みだったお部屋は、よくある普通の間取りでした。廊下も独立してして通路としての役割だけだったので、その部分も含めてリビングの一部のような面白いスペースを作りたいと考えていました。空間を斜めにゾーニングすることで、開放感もありつつ個性も出せたんじゃないかなと思います」(スマサガ設計デザイナー)
念願だった大きなソファを置いても十分な広さのあるリビングダイニングスペース。キッチンは、既存設備を活かしつつ壁に開口部をあけ、造作家具をつくることで明るく広々と使えるカウンターキッチンに。床には、傷がつきにくいマーモリウムという素材を採用しています。
「カウンターキッチンは広くて使いやすくて。窓の外の景色を眺めながら料理ができるので、キッチンに立つのが楽しくなりました。掃除もしやすいし念願だった広いリビングも過ごしやすくて、このリビングダイニングスペースにいる時間が増えました。」(旦那さん)
夫婦共にリモートワークになったことで、それぞれの仕事環境とくつろげるリビングを整えたかったというのも新たな住まいを考えたきっかけでした。旦那さんの仕事スペースはリビングの片隅に造作したシンプルなデスク。天板の高さを自由に変えて、デスクや棚をいつでもカスタマイズできます。奥さんの仕事スペースは、寝室にカウンターデスクを造作して少しこもれる雰囲気に。寝るタイミングもバラバラだというお2人のライフスタイルにあわせて、寝室はリビングから遠い場所に配置しています。
リビングと寝室の間には広めのウォークインクローゼットを造作。以前は部屋のあちこちに散らばっていた収納もまとめ、空間も余すところなく有効活用できるようにしました。
コンセントの位置や配線、電化製品の置き場所も細かく設計すること
久しぶりにお邪魔したF邸は、まるでモデルルームのようにシンプルで洗練された雰囲気。リノベーションした住まいの暮らしは快適だと話してくれたFさんご夫妻、以前よりあまり物を置かないようになったり、毎朝、お掃除をするようになったそうです。
「毎朝の掃除がルーティンになって、その生活リズムも気分が良くて。自分たちの好きな部屋なので自然と綺麗にしようと思うようになって、それも含めて快適に過ごせています。物が少ないのは、猫がいるからというのもあるのですが、内装も手入れをしやすい素材にしてもらったので掃除も楽です」(旦那さん)
壁も床もひっかかりにくい滑るような素材にしたり、消臭効果のある壁紙を選んだり。猫たちが壁で爪研ぎをすることもなくなったそうで、人も猫もお互いにストレスなく暮らせていると感じるそう。
「猫たちも家の中のいろいろな場所でくつろいでいたり、私もリビングでも奥さんと猫とゆったり過ごす時間が多くなりました。以前は、家の中で落ち着ける居場所もあまりなかったので。日常のルーティンが変わるってすごいことですよね」(旦那さん)
もともと下町のような雰囲気もいいと思っていたエリアですが、最近では若い人が増えたり、新しいお店ができたりと、活気のある街並みになってきているのも気に入っているそう。
「昔からある商店街のお店に行ってみたり、新しいお店もできていたり、この街にすっかり馴染んで気に入っています。引っ越して来る前は気づかなかったけど、自然が多くて散歩したりするのにも気持ちいい場所。前に住んでいた神楽坂の辺りは、ぎゅっと要素が集まっているような街だったのですが、大きな公園や川沿いは風が抜ける感じで、ゆったりできるのがいいなと思っています」(旦那さん)
今後のことはあまり考えていないけど、キャットタワーなど猫たちのものも設置してみたいな、と話してくれました。
シンプルで機能的な住まいを保ちながら、猫も人もストレスなくゆったりと暮らせる家。これから少しずつ変わっていく様子も楽しみなF邸でした。