みなさん、不動産会社にだまされちゃだめです!
情報に踊らされる、情報弱者にはならないでくださいね!
コラムを読む今回ご紹介するのは、アンティーク家具が大好きだというHさんご夫婦です。自分たちの好きなものを楽しむために「倉庫」のような住まいを目指していたというお二人。まずはリノベーションに向けた理想の物件探しからスタートです。
Hさんご夫婦がどんなプロセスで住まいを実現したのか、住まい探しからリノベーションまでのリアルストーリーをお届けします。
賃貸に住んでいた頃から、趣のある家具が好きで、そこにはこだわりがあったというHさんご夫婦。
「二人ともアンティークの家具がとにかく好きで、古い家具ばかり、少しずつ集めていました。アイテムはある程度は揃ってきたのですが、賃貸の空間だと何だかうまくフィットしなくて、個人的には納得してなかったんですね。アンティークショップや古道具屋さんとか、そのお店の雰囲気も好きだったので、自分の家がそんなふうになったらいいなと思っていたんです」(Hさん)
そんな空間を実現したいと物件探しを始めたHさんご夫婦。二人ともwebデザイナーということもあり、昔からものをつくるのが好きだったといいます。もし家を買うなら、できるだけ自分たちで好きなように作りたいと思っていたので、中古マンションを購入してスケルトン状態からフルリノベーションしたい!というのが当初の希望でした。
以前住んでいた田園調布の街が気にいっていたHさんご夫婦は、まずは田園調布や上野毛、自由が丘エリアを中心に物件を探しはじめました。日々更新される物件情報をチェックしては、少しでも気になったら内見に出かける日々。半年以上もそんな物件探しを続け、相当数の内見をしましたが理想的な物件は見つからず、、、家探しは大難航でした。土地の価格も高めのエリアだったこともあり、自分たちにはもう理想の物件は見つからないんじゃないかと半ば諦めてしまいそうにもなったとか。
このトルソーは、以前Hさんが賃貸で住んでいたお住まいの大家さんからもらったもの
「もう長いこと探してるのに全然いい物件が見つからなくて、とんでもなく落ち込んでいたんですね。これ以上探しても、もう条件に合う物件が出てこないんじゃないかって」(Hさん)
そんな状況に伴走しながら、スマサガ不動産チームも一緒に物件探しをする日々でした。
「一緒にめちゃくちゃ頑張ってくれて。私たちがネットで見つけた物件についても精査してくれたり、心配だと思う点を伝えてくれたり。本当に自分たちが望む物件なのかを確かめてくれました」(Hさん)
日差しがそそぐ窓際に置かれたアンティークのチェアとオットマン(足置き台)
日々の物件探しと希望条件について対話を進めていく中で、最終的に自分たちが譲れないのはフルリノベーションをすることではなく、暮らしたいエリアだったということに気づいたお二人。そこで住まい探しの目的と予算配分を切り替え、まずは物件の希望エリアを優先して部分リノベーションにシフトした上で、もう一度、物件を探し始めたのでした。
その後、何軒か内見した結果、今の住まいに出会うことができました。
「この部屋からの眺めやマンション自体のつくりもとても気に入って、予算面でもいけそうじゃないかと思って。管理人さんも常勤で他に内見したマンションと比べて管理が行き届いていたのも大きかったですね。駅からも徒歩5分くらいの距離だったし、この立地だったらおそらく将来的にも価値が下がっていくことはないだろうということも考えました」(Hさん)
難航したHさんの住まい探しでしたが、条件にも見合って納得できる物件がようやく見つかり、いよいよリノベーションプランの段階へ。Hさんご夫婦は、どんな空間を作りたいか、そのイメージが明確にありました。
「とにかく、無くても問題なさそうなものは全部取って、天井や壁も無くして倉庫のような『箱』にしたいなと。私たちが結婚する前から、家はほぼ倉庫みたいな感じがいいよね、という意見が一致してたんです。引いて引いて引き算して、残った最低限のものでスタートして。そこから後は自分たちで好きなように作っていけばいいと思っていました」(Hさん)
スマサガの設計デザイナーとは、ひたすら何を削るかという話をしていたといいます。
「玄関にはもともと備え付けの下駄箱があって、壁にタイルも張ってあったのですが、それも全部剥がしちゃおうと。とにかく取れるものは全部取って、天井も取りました。ドアは新しく変えたかったんですけど、予算的に厳しそうならドアも無くしてしまおうということになって、扉関係は結局全部なくしました」(Hさん)
取れるものはすべて取るというと、シンプルな空間やミニマリストのようなイメージが浮かびますが、Hさんたちの場合は、長い時間をかけて一つひとつ集めてきた大切な家具を置いて、自分たちの世界をつくるための空間。その好きを最大限に表現するために、余計なものは全て取り去ってしまおう!というコンセプトでした。
既存キッチンを上手に活用してコストを抑えながら
当初希望していたフルリノベーションは予算の関係であきらめ、その代わりに既存の設備で使えるものは生かしていく方向になりました。キッチンも既存のシステムキッチンをそのまま利用することになったのですが、奥さんが「以前スマサガの事例で見た」という、木材でキッチンを囲う工夫を施しながら、空間に馴染むようにディテールを整えていきました。
ただ既存利用するだけではなく、費用を抑えながらも違和感のない空間にまとめていくのも部分リノベーションの醍醐味。一見フルリノベーションをしたかのように仕上がるので、部分リノベーションでも十分変化させることができます。そんな細かな工夫をとことん考えていくのも、リノベーションならではの面白さや楽しさだと思うのです。
現在のHさんのお部屋には、仕事用のデスクや椅子、ソファや収納家具に至るまで、お二人が大切に集めてきたアンティーク家具が倉庫のような空間の中に配置され、本当にどこかの骨董屋さんのような、趣のある雰囲気になっています。
リノベーション完成から時を重ねて、家族の変化でレイアウトが変わったり、趣味の家具も少しずつ増えていきます。
室内の素材やアンティーク家具の経年変化も重ねながら、お二人の歴史が作られていく空間。古いものや骨董屋さんの雰囲気が好きだったお二人の、そんな理想が実現していたH邸でした。
「なんでも入れられる最高の倉庫を作ろうと思った」世田谷Hリノベーション