みなさん、不動産会社にだまされちゃだめです!
情報に踊らされる、情報弱者にはならないでくださいね!
コラムを読むもしかしたら、リノベーションは住まいをジブンゴト化してくれる最適な作業なのかも知れません。新しくすることがリノベーションではなく、自分たちらしさやこだわりが宿ることが、空間自体を好きになるきっかけになるんだと、この住まいは教えてくれています。
必要に迫られて始めた住まい探しの話から、”購入”という選択肢が突然に浮上することがある。
二人が物件探しを始めるきっかけは、結婚することが決まったからでした。
結婚前にはYさんがその当時住んでいた家を退去することが決まっていたため、当時奥さんが住んでいた家で同居を開始したのですが、32㎡の住まいでは二人で住む広さとしては手狭だったのです。
そこで新居探しをするべく行動を開始した二人が、まず考えたのは賃貸物件でした。けれど賃貸で毎月払う家賃を考えると購入という選択肢もあるかも知れない、そこで新築マンションのモデルルームに足を運ぶことにしました。
調理動線や使い勝手を設計者と話し合って制作したキッチン。グレーの天板が空間の引き締め役。
二人の今回の家探しで転機があったとすれば、モデルルームに足を運んだことは大きな出来事でした。立地も良く費用もそれなりにする新築マンションのモデルルームを見学して、あまりに自分たちの年収に対して物件価格が高い現実に衝撃が走ります。その影響でその日の晩の食卓は無言だったそうです。
もし無理をして家を購入しても、家のローンを返すためだけに生活をするスタイルは違うんじゃないだろうか。それだったら無理をして新築マンションを購入するのではなく、別のライフスタイルを模索するべきだという考えになったそうです。
一生のうちで一番高額な買い物にも関わらず、制約の多い新築マンションの現状を知って以降、本当に自分たちに合う住まい探しとは何なのか当時26歳だったYさんは様々に調べるなかで中古マンションの可能性やリノベーションの可能性に出会った結果、スマサガ不動産のサイトに辿り着きました。
ロードバイクや靴をメンテナンスしやすいよう、玄関まわりはゆとりのある空間に。
二人は実際にスマサガ不動産のセミナーに参加したことで、資産価値や自分たちのライフスタイルに落とし込んで、住まい探しを考える意味が理解出来るようになりました。
特にスマサガ不動産のセミナーで行った何でそういう生き方がしたいのか、ライフスタイルとの照らし合わせ作業は、あんなに生活を見直すことがなかったと語るほど新鮮な体験になったようです。
二人には更に偶然が重なります。二人が以前からとある本を読んで気になっていた住まいで、スマサガ不動産のオープンハウスが開催されました。その住まいはスマサガ不動産がリノベーションを手掛けた住まいだったのです。二人は実際にそのオープンハウスに参加し、リノベーションされた家に触れたことで、設計の工夫次第で広さの感じ方が変わることを体感しました。二人はその経験からそれまでの広さに関する概念が覆ることになりました。
ど真ん中に洗面スペースがある大胆な間取り。実は暮らしやすい動線になっているとは、Yさんの弁。
それ以降、物件を購入するための内見も本格化していきました。二人の物件選びのポイントは、街の雰囲気が大きかったということで、本当に絶対にこの街!ということではなく、自分たちに合う街はどんなところなのか、毎週末都内の様々な場所に足を運んでいました。
内見をするなかで二人が気付かされた点は、無意識にも真っ先に眺望を気にしていたようで、一緒に内見したスマサガスタッフからの指摘でそれに気づいたそうです。眺望という要素は、現在の住まいにも色濃く反映されていると言えます。結果的に、実際に購入する住まいに決まるまでは、住まい探しを行動に移してからたった4ヶ月程度しか掛かりませんでした。
中野坂上の住まいからは、新宿の高層ビル群が見え、否が応でも目の前に広がる抜け感と、そこにそびえる風景からは東京にいる実感が湧いてきます。
他方、玄関から家を出た先に広がる風景は、古き良き東中野の商店街などレトロな街並みを見ることが出来、この街の二面性的なコントラストが垣間見える空間が、この住まいを面白くしていると言います。
この物件を内見したとき、直感的に良さを感じたそうで、旧耐震の物件だったこともあり、いろんな状況を調べ検討した結果、この物件を購入するに至りました。管理状態や管理人さんの精力的な働きぶりなど、管理状態も良かったことも購入の決め手になりました。
新宿の高層ビル群が眺められる窓近くにダイニングエリアをレイアウト。夜景を楽しみながら暮らせる住まいに。
今回も多くのクライアントの皆さんと同様に、設計期間については非常に楽しい時間だったようです。
完成した部屋で特徴的なのは、やはり目を引くリビングの広さ。非常にゆったりとのんびり過ごせる空間が広がっています。床材にもこだわっており、日の光が気持ちいいときは寝転がって過ごす日もあるそうです。
そしてリビングを中心にした設計でそこが印象的なことはもちろん、機能性を考えてリビングの端に設置された洗面や、機能性を考えて極力配置されていないドア類。さらに寝室に関してはまるでクローゼットと一体化したような雰囲気さえ持ち合わせていて、これも住まいのアクセントとして趣深い面持ちを醸し出しています。
自分たちの家が出来ていく過程でライフスタイルを見直していった結果、活かせるものは活かし、新しくするものは新しくするを徹底しているため、非常に合理性が高いリノベーション空間が出来ていました。
リビングを広さを確保するために、極限までコンパクトにした寝室。
Yさんご夫婦。
この住まいに実際に住んで約3年あまりが経過したなかで、二人には意識の変化があったといいます。
もともと自分たちのものを増やしていくことが多かったらしいのですが、ここ数年ほとんどモノは増えていないそうです。それは実際に足し算だけじゃない引き算で出来る空間を目の当たりにすることで、自然とその空間にライフスタイルがチューニングされているのかも知れません。
さらに自分たちの生活基準の判断軸が明確化された結果、常にそれを意識した収納や購買に今もつながっているそうです。実際に自分たちで考えながら物件を購入し、そして一緒に設計した住まいだからこそ、それはジブンゴト化され、住まいへ新築以上の愛着が湧くのかも知れません。
きっとそれこそリノベーションの醍醐味であり、このY邸はその醍醐味を住まい空間そのものが現してくれているようでした。
「リビングの広さを第一に考えたら、いろんなものがコンパクトに収まった家」東中野Yリノベーション(取材 2019/8/24)