みなさん、不動産会社にだまされちゃだめです!
情報に踊らされる、情報弱者にはならないでくださいね!
コラムを読む住まい探しにおいて「どの街で暮らすか」は、誰もが直面するテーマ。
今回は「自分たちが好きな街で家を買いたい!」という気持ちがひときわ強く、大好きな中野で住まいを手に入れたTさんご夫妻のストーリーです。
取材に伺った際も、お二人の幸せそうな雰囲気が強く伝わってきました。譲れないポイントがハッキリしていれば、何を手放していいのかも自然と見えてくる。そんなことを具体的に感じさせてくれるストーリーです。
Tさんのお住まいは、JR中野駅から歩いて約15分。以前の賃貸の住まいも中野で、中野近辺に絞って物件探しをしていたそう。
「元々は私が一人暮らしで中野に住んでいて。中野が好きで、新宿に近いわりにごちゃっとしている感じも好きで、結婚してから早稲田に住んでいた夫を中野に呼び寄せました(笑)」(妻・カズエさん)
もともと中央線が好きだったというカズエさんは、街をぶらぶらするのが好きで、ブロードウェイの雑多な感じも好きだったそう。飲み屋街の1本入った通りなどの雰囲気も気に入っていたといいます。一方、夫のヨウヘイさんは、中野で好きな場所は平和の森公園。お子さんをよく連れていくのだと話してくれました。
実際の物件探しでは、中野を軸にしつつ同じ中央線の荻窪や西荻窪、吉祥寺も考えていたそうですが、お二人が勤める会社が新宿近辺で帰宅も遅い仕事だったこともあり、新宿に近くてタクシーや自転車でも帰りやすい中野を選んだそうです。
先輩がリノベーションをしたマンションに住んでいて魅力を感じ、最初からリノベすることが視野に入っていたお二人でしたが、リノベ済み物件も含めて検討していたそう。
「リノベ済みって大体きれいに整えられてますよね。でも、いろんな物件を見るなかで、この感じは違うよな、テイストが好みじゃないよな、みたいな感じがどの物件にもあったんです。それならリノベ前の物件を買ってリノベしたい、自分たちのやりたいようにしたいと思うようになりました」(カズエさん)
「広さに関しては、最初は70㎡くらいは欲しいよねと思っていました。でもスマサガさんのオープンハウスで50㎡くらいのお宅を見学して、十分いい感じに住めるんだなというので、これだったら50㎡くらいでもありなのかなと思いました」(カズエさん)
当初は、ゲストルーム兼書斎の部屋なども欲しい気持ちもあったそうですが、物件を再び内見した際にスマサガの設計チームと話し合って『月に何回、年に何回しか使わないスペースにコストをかけるべきか?』というテーマの話になったとか。
「確かに!!そこに金払うんか!みたいな気分になりました(笑)」(カズエさん)
最終的に、身の丈に合った予算で大好きな街だった中野に住むことを最優先して、部屋は狭くていいしゲストルームもいらないよね、という決断に至ったといいます。
リノベ前は対面式のカウンターキッチンで、そのせいでリビングがとても狭かったお部屋でした。その様子を見て、もうちょっと広々と使いたいなと感じていたお二人。ずっと家にいてもしんどくならない空間にしたかったといいます。
「文字情報だけで見ると、対面式って魅力に感じちゃうんですよね・・・私もそうでした。でも何軒も内見しているうちに壁付けキッチンも見て、結果的にリビングが広くなるし、これもありかなって思いはじめました。空間も限られているし、壁付けにしちゃおうということになって、オーダーでつくってもらいました」(カズエさん)
「最初は、玄関も全部作り変えたいと思っていました。窓際のカウンター窓枠とかも全部やり直したいと思っていましたね」(カズエさん)
リノベーション予算は500万円を基準に、スマサガの設計担当と話し合いながら設計の過程で調整していこうと考えていました。でも途中であきらめきれないことが色々と出てくるかもしれないと感じていたそう。
そこで、後悔しないためにいったんやりたいことを全部盛り込んだ設計をしてもらうと、最初に出てきた見積もりは1000万円をオーバーすることに。。でも、これはあえて”見積もってみた結果”と冷静に見ながら「本当にこれって大事なの?」という禅問答をしながら、ここから要素を削り込んでコストダウンを模索していきました。まさに断捨離のようなプロセス。
この時に、スマサガの設計者を交えて行った対話がお二人のこれからの暮らしにとって本当に大切なことを見極める、貴重な体験になったのかもしれません。
「最初は扉もたくさん付けたいと考えていたんです。埃とか嫌いだし、なるべく家事は楽したいから収納も扉で全部閉めたいと思っていたのですが、本当に必要かなと考えた結果、トイレとリビング以外の扉はなくしてしまいました。洗面とか違和感ないですもんね。扉、なくて良かったと思います」(カズエさん)
扉をできるだけ少なくするために空間の仕切りも一切つくらず、天井の高さを変えたり場所のつなげ方を工夫することに。緩やかにゾーン分けができて、フレキシブルな使い方がしやすい間取りを提案しました。そうすることで、将来にお部屋を変えたいと思った時にも計画しやすくなります。
「もともとがメゾネットだったので、上下階で自然に空間の仕分けができることも、このコンセプトでうまく設計がまとまった理由です」
(スマサガ設計担当)
全部無くした扉とは逆に、どうしてもあったほうがいいと思ったところはあったのでしょうか。
「水回りは絶対変えたいと思ってました。お風呂、洗面、トイレを新しく変えたかったので、そこは譲らなかった点ですね。死守したかった(笑)」(カズエさん)
ヨウヘイさんは、リビングと階段をつなげるかわいい窓がお気に入りポイント。メゾネットの階段を上り下りするときに、この窓からコミュニケーションができるようになっています。
「イメージですが、上のお部屋から寝室がある下の階に向かって『おはよう』っていう、そういうやりとりができたらいいなと思いました。つけて良かったなと思います」(ヨウヘイさん)
そして、予算の上限があるからこそ、より考えられた空間になっている気がしたというお二人。
「削っていくのは、つらいというよりもクリエイティブな行為なのかなと思いました」(カズエさん)
社会的にはちょうどコロナ禍。家で過ごす時間が多い時期でした。
「基本的にはめちゃくちゃ住心地が良いです。この家じゃなかったらステイホームできなかったと思います。本当に居心地が良くて、ずっといられます」(カズエさん)
「ここがマンションの中だということを忘れてしまうくらいで。戸建てかなっていう感覚になることもあります」(ヨウヘイさん)
最後にこれからリノベーションをしたいと思っている方にアドバイスがあればお願いします!
「私たちは、スマサガさんが手掛けたお宅も含め、色々なお部屋を見たのですが、もし可能であれば、いろいろなお部屋を見せてもらうのがおすすめかなと。そして、雑誌を見ながらとかでもいいと思うんですけど、設計士さんとか自分以外の人の意見を聞くことで、自分の中の常識が破られると、住まいづくりがさらに楽しくなるんじゃないかなと思います」(カズエさん)
大好きな街に住む。幸せに暮らせる条件は人それぞれだと思いますが、それが何か?を発見するのもまた楽しく、人生が少し変わるプロセスになるのかもしれませんね。