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オープンハウス

「今を大事にした住まいづくり」東中野Y邸 オープンハウス開催

  • 開催日時: 6月25日(日)
  • 開催場所: 東中野
  • 募集条件: 無料・要応募
「今を大事にした住まいづくり」東中野Y邸 オープンハウス開催
「今を大事にした住まいづくり」東中野Y邸 オープンハウス開催

6月25日、リノベ&DIYオープンハウス@中野坂上、第1部~第3部まで、たくさんの方にお越しいただき、無事に終了いたしました。

 

お部屋の紹介も含めて、当日の様子をレポートしていきます!

今回は、お住いになって約1年の程のYさんご夫妻のお宅で開催です。

 

建築年 S47年/面積 53㎡/クライアント DINKS/リノベ費用 約730万円(設計費込)

 

まずは、みなさんにLDKに集まっていただき、施主のYさんご夫妻をご紹介です。

普通にお住いになっているお宅ということで、参加者の方々も「どこまで見ていいのかな?」と少し緊張気味のスタートでした。

 

スタッフ含めると総勢20名!こんな に大人数は初めてとのことですが、案外いけますね~と施主のYさん。

 

その後、スマサガ設計チームの山口・吉田も交えて、お部屋の見どころや設計時のエピソードなどをお話しました。

今回は53㎡(一般的に2DKくらいの広さ。今回の部屋も、元々は2DKでした。)の部屋を、いかに開放的に、かつ、使いやすい部屋にするか?という工夫がたくさん出てきました!

 

最初は、寝室について。

 

自分たちが長い時間を過ごすLDKを広く、それ以外の部分は出来るだけコンパクトにして、メリハリのある間取りにしようと考えていたYさん。

 

追求していった結果、クローゼットの中にベット?という寝室が完成しました。
ベットの横にクローゼット、というのは良くある寝室ですが、Y邸はベットの横にポールが一本。
扉がないので、開け閉めに必要なスペースが必要ありません。
また、寝る場所の天井は、それほど高い必要はないと、ベット上部にも天袋のような収納を作りました。
実際の寝心地を伺うと、案外圧迫感はないようで、「狭いところが苦手!という方でなければ、きっと大丈夫じゃないかな?」とのこと。

 

 

参加者の方にも、部屋の奥まで入っていただき、体感していただきましたが、「写真や図面で見るより、寝心地が良さそうだな~」「篭り感があって、落ち着くかも」と、好評でした。

 

そして、何より扉のないクローゼットが、とっても使いやすいそうです。
朝起きて、ベットから今日は何を着ようかな?と横を眺めて、起きたらすぐにハンガーを取る。

確かに、出勤前の忙しい朝に全く無駄のない導線です!

 

次は、洗面シンクについて。
玄関からLDKにつながるフリースペースに設置しています。

 

中央に見えるのが洗面シンク。奥は玄関、手前はリビング、左手前がキッチン。

 

リノベ前の間取りでは、脱衣所に洗濯機と洗面シンクがある一般的な間取りだったのですが、LDKを広げて、キッチンに収納を作ろうとすると、どうしても脱衣所が狭くなり、洗濯機か洗面シンクのどちらかしか設置することができませんでした。

 

そこで、そもそも洗濯機・洗面シンクはどこにあると導線として良いのか?を考えてみると、、、

朝起きて顔を洗う、帰宅して手を洗う、寝る前に歯を磨くなど、実は洗面シンクは脱衣所の外にあるほうが動線に無駄が無いという発見が!

 

 

また、脱衣所については、奥さまから「入口にドアを付けるかどうか」を最後まで悩みに悩みました!~というお話がありました。(Y邸の脱衣所には、入口のドアがありません。)

 

角ばったシンプルなシンクを探して設置。左はドアのない洗面所の入口。

 

というのも、初期の設計図には当たり前にドアがついていたのですが、設計中盤の見積もりを見ながら、取捨選択をしていく段階で、設計担当の山口から「洗面所のドアって、本当に必要でしょうか?」と問いかけがあったそうです。

 

奥さまは、「絶対必要、だって普通必要でしょ。」 と思ったそうですが、 ご主人様が「無くても良いかも~」という反応だったこともあり、 ドアが欲しい理由、使うシーン、使う時間を考えてみたそうです。

ギリギリまで検討しましたら、最終的には「閉めている時間は1日のうち、すごく短い。もっと長い時間を過ごす場所に費用をかけよう」と考え、ドアは設置しないことにしました。

 

ちなみに、山口はコスト削減ということもありますが、Yさんご夫妻の関係や、普段の暮らし方を伺った上で、「実はドアが無い方が、暮らしやすいのでは?」との思いがあったそうです。

 

住み始めて1年経った今、「お金が余っていたら、ドアはつけますか?」 という質問に 「つけません!すっごく便利ですよ!」 と即答の奥さまでした。
(友人のお泊り用にカーテンは設置していますが、普段は全く使わないそうです。)

 

「家の中の当たり前」に対して、「本当に必要ですか?」と問いかけられることで、自分たちの暮らし・価値観を深く考える事ができた。こんなに自分たちの生活に向き合ったのは初めてです。
というYさんご夫妻のお話に、参加者の方も真剣に頷いていらっしゃいました。

 

 

 

設計を担当した山口からは、空間の分け方について。

壁を立てるのではなく、「床の段差」「天井の段差」「素材の違い」を利用して空間を分けることで、’繋がっているけど、区切られていて、開放感もありながら、それぞれに居心地の良い居場所を作りだしている’という説明もありました。

 

リビング部分の天井は、既存の部屋の天井 を壊し、20センチ程高くしています。(グレーの部分)

 

床の段差と天井の梁で、LDKスペースとフリースペースが、ゆる~く仕切られています。
段差は、床下配管の問題で必要になったのですが、それを上手く利用してデザインしています。

 

53㎡という空間を最大限有効に利用するには、‘常識的な間取り’に縛られることなく、自分たちの暮らしを深掘りし、それを設計者と共有しながら、いっしょに考えていくことが大事なようですね。

 

 

ところで、Yさんご夫妻は、もともと50㎡のお部屋を探していたのでしょうか。
実は、相談にいらした当初は、60~70㎡の2LDK~3LDKを希望されていました。

 

セミナーでもお話しているのですが、不動産選びは、住まい探しのコンセプトに合わせて、
『予算・広さ・場所』の優先順位を整理していくことからスタートします。

 

Yさんご夫妻も、まずは無理のない予算を確認しました。
その結果、予算内で60~70㎡の部屋を手に入れる事は、希望のエリア(中央線沿線)では難しく、
相場から考えると50㎡前後になってしまう事が分かってきました。

 

それが分かった時に、予算内で希望の条件を満たすために、もともと希望していない郊外エリアで物件の検索を始めたり、将来の負担になるレベルで無理して予算を上げたりという思考に陥る方もいらっしゃいます。でも、そんな風に安易に決めてしまうのは、いろいろな点で雑な考え方だと思いますよね。

 

そこで、まずは『予算・広さ・場所』の何を大事にするか?をじっくり考えていくのですが、Yさんご夫妻は、当初から【予算】は最優先と決まっていたので、【広さ】と【場所】の優先度を中心に考えていきました。

 

 

【広さ】なぜ、60~70㎡が必要なのか?
 →今は1LDKで十分
 →将来家族が増えた時のことを考えて、、、
 →広々としたLDKが欲しい

 

【場所】なぜ、中央線沿線を希望?
 →荻窪、高円寺辺りの街が好き
 →職場へのアクセスが良い(帰りも遅いので、、)

 

それぞれ希望する理由を踏まえて、具体的な生活・将来についても掘り下げていきます。

 

・子ども部屋は何歳から必要?
  小学校高学年?ってことは、早くても10年以上先。

・共働きの子育てを考えた時に、部屋の広さと、通勤時間、どっちが大事?
  現実的には、通勤時間の方が大事かも。
  時間だけじゃなくて、距離も近いほうが良い。(緊急時に歩ける、タクシー圏内など)

・住宅を購入すると、今まで以上に地域との関わりが増えるけど、好きじゃない街で大丈夫?
  確かに、街によって、住む人の雰囲気って違う。
  子供がいると、お祭りやPTAなど、DINKS時代とは違うコミュニティも増えるな、、、

・不確定な未来の為に、今の生活を変えられる?
  帰宅時間遅め。外食も好き。街の散策も好き。
  現時点で狭くて困っている訳じゃないのに、わざわざ郊外に行ったら、毎日が楽しくないな。。。

・予算内で広い部屋が買えるエリアって、資産として成立するの?
  不動産って、色々と調べてみると、物としての価値というより、需要があるかどうかが大事かも。

 

様々な角度から話し合っていくにつれて、自ずとYさんご夫妻の優先度が分かってきます。
だんだんとコンセプトが明確になってきました。

 

 

・広さよりエリア優先。
・リノベーションで出来るだけ快適に住めるように工夫する。
・将来の家族の変化に備えて、に売る・貸すを考慮した立地選び。
・住み替え時に困らない、無理のない資金計画。
・今を大事に、まずは自分たちが楽しめる家・場所。

 

 

結果、当初の希望の広さとは異なる、53㎡の部屋の購入を決めたのです。

 

間取りの工夫で、広々としたリビングは実現!

 

「まだ見ぬ未来のために準備をすることも大事だけど、今の自分達の生活があって、その延長線上に様々なライフイベントがあると思うので、まずは今を大事にしました。家族が増えたら、この家でどう育てていくか楽しみです。案外、イメージはできているんです!」と力強いコメントを頂きました!

 

その他にも、こだわったポイントや、物件を探している時のエピソードなど、短い時間でしたが、色々とお話頂きました。

 

キッチンは部屋の中心になるので、家具のように見えるよう設計しました。とはいえ、用途に合わせて、実はコンロ側とシンク側の天板の素材を変えるなど、機能性も◎。
冷蔵庫を購入しようとしたら、梁があるため、あと2センチ程高さが足りない事が発覚。その為、キッチン部分はフローリングではなく、塩ビタイルの床に変更して、何とか設置できるようにしました。(フローリングより、塩ビタイルのほうが薄いので。)

 

趣味の自転車を整備するために、玄関は約3畳の土間を作りました。
靴収納は可動式です。棚板は、Yさんの靴のサイズに合わせて製作しているので、ディスプレイのようにピッタリ収まっています。

 

黒タイルは、リノベ前の部屋に貼ってあったものを、そのまま利用。初めて見たときは「ダサい!」と思ったのですが、梁・天井のクロスを剥がして、躯体が見えてくると、急に格好良く見えてきたそうです!
設計担当の山口いわく「クロス×タイルの組合せに違和感があったんだと思います。素材は組合せ次第で見え方が変わるので、初めの印象だけで決めないことは大事です。こういう’微妙’と思った部分が、格好良く変わること、実はよくあります(笑)。リノベーションの醍醐味ですね。」とのこと。

 

新宿を望めるこの景色が、購入を決める一つのポイントでした
夜になると、全く違う景色が楽しめます。バルコニーのウッドデッキは、住み始めてからDIYしたそうです。

 

さて、オープンハウスの後半は、自由な見学タイムです。
寝室の広さ、オーク材の床の足ざわり、躯体に塗装をした壁、キッチンの素材や高さ、ベンチに座った時の景色などを実際に体験していただきました。

 

 

 

 

 

Yさんご夫妻を囲んで、様々な質問が出ていましので、一部Q&A形式でご紹介したいと思います。

 

Q.初めから、こういう間取りをイメージして中古マンションを探したんですか?

A.不動産探しを初めた時は、漠然と60㎡~70㎡くらいを考えていたので、全くイメージしていませんでした。
ただ、探している時期に伺ったオープンハウスのお宅が55㎡の部屋を上手くリノベーションしていて、自分たちも50㎡前後でいけそうだな~と思い始めました。

▼Yさんが参加したオープンハウス▼
Yさんが参加したオープンハウスの様子

 

Q.DIYって大変でしたか?

A.大変でした!!
壁、天井の一部の塗装、木部のオイル塗り、寝室のタイルカーペット貼りなどを行ったのですが、何より大変だったのは、壁・天井を塗装する前の下処理です!既存の壁紙を剥がす作業なのですが、この部屋は躯体(コンクリート)に直接壁紙が貼ってあり、その糊を剥がすために、ひたすらスクレーパーでガリガリと削りました。もう全身筋肉痛で、、、
ペンキを塗るのは、友達にも手伝ってもらい、あっという間でした!

 

左の壁が、壁紙を剥がし終わって、塗装前の状態。

 

Q.もともと、東中野で探していたんですか?

A.いえ。たまたまこの物件が東中野にあった~という感じです。
もともとは、中央線沿線(好きな街)、綾瀬エリア(ご主人の実家方面)なども検討して、実際に物件も見に行きました。その中で、広さ、予算、場所のバランスを検討しながら、優先順位を整理しているなかで、この物件が出てきました。
たまたま自分たちの通勤に便利だったこともありますが、JR・メトロ・都営の3線が利用できて、新宿が自転車圏内なことも、将来的に賃貸・売却も視野にいれているので、高ポイントでした。

 

Q.築45年の建物、実際住んでみてどうですか?

A.このマンションに関しては、快適に住んでいます。
古いですが、管理・修繕にも積極的で、実は先日、共用部分の玄関ドアの交換がありました。もうすぐ窓の冊子の交換も決まっています。もちろん購入前には、耐震等の問題も考えましたが、自分たちでも色々と調べた上で、納得して購入しています。

 

 

 

あっという間の1時間のオープンハウス。

 

最後は、アンケートをご記入いただき、お開きとなりました。

 

 

◆参加者の皆さんから頂いた感想を一部ご紹介します。

 

・使う家具、特に冷蔵庫が先に決まっていての、間取り決定のエピソードに驚きました(Kさん)

・奥さまの「最初に持っていた価値観」と違う家に今住んでいます!というコメントに唸りました。(岡さん)

・暮らしの導線、自分たちの生活スタイルをとことん考えて、設計することの素敵さ、大切さを感じました。(Nさん)

・洗面ドアの必要性の話が印象的。(二宮さん)

・50㎡でも、工夫と窓の外の様子で、開放感の感じ方が変わることがわかった(辻村さん)

・元々Yさんが希望されていた部屋の広さが70㎡と聞き、今の自分たちの希望と同じなので、部屋の広さの考え方について参考になりました。必要か不要かを考える時に、その状態である時間の長短で決定してる所にとても納得しました。(Hさん)

・実際に見て、とても広々感じられる空間で、楽しかったです。ドアがないことが、驚いたけど、とてもナチュラルでした。(Tさん)

・住んでいるご本人のお話を聞けた事が一番良かったです。先入観にとらわれずリノベをした事がよくわかりました。(Sさん)

 

Yさん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

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