みなさん、不動産会社にだまされちゃだめです!
情報に踊らされる、情報弱者にはならないでくださいね!
コラムを読むどうも、城戸です。家の中と外との切り替えをあいまいにすると、
結構いいことがありますよっていう話をします。。。
つまり、昔の日本でいえば「土間」みたいな場所を室内につくることが、
住まいの設計に良い結果をもたらすことが結構あります。
特に、リノベーションする前の、
築年数が古い中古マンションの既存間取りは、
とにかく空間を細かく間仕切り過ぎていて、
相当な圧迫感を感じます。
その場合、玄関周りや、ベランダと窓でつながるあたりの場所を、
ある種のユーティリティスペース(なんにでも使える便利な場所)として、
家の中から外を見たときの視線の抜けに奥行きを感じるように、
ひとつの透明なレイヤーを重ねるみたいにゾーニング(*注1)すれば効果的です!
そういうゾーンのことを、僕は、
「土間」とか、「インナーガーデン」とか呼んでいます。
「インナーガーデン」の床の仕上げは、
タイルを貼ったり、石を使ったり、
一般的にはテラコッタとかも人気がありますね!
でも、スマサガ不動産のクライアントに一番人気なのは、
ローコストでしかも風合いが良いということで、
モルタル(*注2)という素材で床を仕上げることです。
ただ、モルタル仕上げは、
ローコストな上に風合いが素敵なんですが、
残念なことに、必ずヒビが入ります。
だから、実は一般的にはあまり仕上げに使わない素材です。
特に、施主のチェックが厳しくて、
何でもクレームになってしまう日本の建築業界では、
業者側が積極的に提案したがらない仕上げです。
僕が自分で設計した場合も、実際の施工の際に、
施工する工務店や職人さんを説得しなければいけないことが、
以前は結構ありました!
でも、スマサガ不動産のクライアントさんは、
ヒビが出ることよりも、
ローコストで風合いが良いっていうことで、、、
その優先順位にコミットしてくれるので、
安心してモルタル仕上げを選択出来ますね。
ハウスメーカーさんや、
建売屋さんや、
新築マンションのデベロッパーさんなんかは、
ヒビについて余計なクレームが出るのを嫌がって、
あまり使いません。
リノベーション済みで流通している中古マンションにも、
ほとんど使われることはないですね。
話題を、「インナーガーデン」という空間の話に戻します。。。
「インナーガーデン」は、なぜ、タイルとかモルタルの床にするのか、
ということの理由ですが、、、
それは、少しなら水が跳ねてもイイ感じの床にしたいから。
まさにインナーガーデン的にグリーンとか盆栽とかを置いてみたり、
自転車の置き場所や整備する場所にしてみたり、
趣味のDIYの作業場にしたり、、、
お風呂や洗濯する場所とつなげて、
便利なユーティリティー(室内干しもしやすいし!)として使ったり、
ネコの水飲み場にしたり、
結構便利に使える場所になるんですよ。
思えば、昔の日本の「土間」も、
それと同じような意味合いで、
あえて「使用目的を決めない曖昧な場所」として
設計されていたんでしょうね。
そして、こういうどこにも所属しないのに、
どこともつながりがある不思議な空間が、
マンションの中にあると、、、
生活していても、なぜか気持ちに余裕が生まれる気がするんです。
光と風を気持ち良く内側に招いてくれる効果もありますし!
あと、空気感と気温の調整役だったり、
いろいろな役割を担ってくれて、、、
設計の初期段階では、
「こんな無駄な空間必要あるの?」って、
聞かれることもありますが、、、
果たしてこれが、
最高に気持ちのいい家の条件のひとつになることもあるわけです!
この写真を見ていたら、光のみえる方まで、
思わず歩いてみたくなりませんか?
自分の家を、機能が決まった空間で全て埋め尽くしてしまわない。
そんな心の余裕が大事なわけです!
「原宿STリノベーション」プロデュース:スマサガ不動産/設計:スマサガ不動産/施工:リンクパワー/写真:平林克己
*注1:ゾーニング(zoning) 住宅の間取りをはじめとする建築計画において、類似した性格の空間(部屋や区画)をまとめて計画していく行為。つまり、設計の初期段階にラフな間取り検討で空間のコンセプトを決めること。図面を使ったり、模型を使ったり、現場のリアルスケールを使って対話しながらとか、検討方法は様々です。 *注2:モルタル(mortar、英語発音: [ˈmɔːrtər] モータ(ー)) モルタルとは、砂(細骨材)とセメントと水とを練り混ぜて作る建築材料。 セメントと砂とは重量比にして1:2 – 1:3の割合で混合されることが多い。 ペースト状で施工性が良く、仕上材や目地材、躯体の調整などに多く用いられる。 コンクリートと違い、砂利(粗骨材)が入らない。