みなさん、不動産会社にだまされちゃだめです!
情報に踊らされる、情報弱者にはならないでくださいね!
コラムを読む最近、日本でもさまざまな業界で偽装が話題になっています。例えば、食品業界での産地偽装や建築業界での耐震性能偽装などです。
不動産業界でも「ホンネ」を隠した「タテマエ」の営業トークが日常的に行われています。彼らの巧みな営業トークを鵜呑みにすると、本来の住まい探しの方向を見失ってしまうかもしれません。
特に注意すべきは、「オトクですよ!」という損得勘定を刺激するタテマエトークです。営業マンに「未公開のお宝物件が...」と甘い話をされると、冷静な判断が難しくなります。最初は構えていても、つい術中にはまってしまう人も少なくありません。
しかし、住まいの購入は人生の大切な場面です。ここで自分を見失うと取り返しのつかない 失敗につながります。住まいは買うことが目的ではなく、買った後の⻑い人生を幸せにする ためのものです。営業トークに乗せられるわけにはいきませんよね?
不動産業界の「ホンネ」と「タテマエ」をお教えします(大きな声じゃ言えませんが...)。
自分や友人には絶対にすすめない物件を「これは超おすすめ物件ですよ!」と平気で言える のが、不動産営業マンの性。なぜなら、彼らにはノルマがあり、売りたい物件が決まっているからです。
そもそも、ほとんどの営業マンはお客さんの話を深く聞いてません。ましてや、言外のニュアンスを汲み取り、おすすめ物件をピックアップしようというやる気も能力も持ち合わせていないのが実際のところです。
そういえば、駅やインターネットの物件情報ポータルのコラムでも、毎年同じ時期に同じようあ特集が組まれ、同じ専門家が登場して「今が買い時な雰囲気!」を一生懸命煽っていますよね?これって、誰の得を狙っているのか、考えたことはありませんか?
「未公開物件」や「お宝物件」という言葉は、希少価値で煽る常套手段です。実際には、業者が売りたい物件と考えたほうが賢明です。甘い誘い文句に乗るとロクなことにならないのが世間の常識です。
あなたのための物件ではなく、営業マンにとって売りやすいからこそ「お宝物件」なのです (苦笑)。
お客さんに購入の意思があっても、最終的にローンが通らなければ営業マンの努力は水の泡です。そのため、年収や勤め先の属性、親からの援助の有無などの情報を隙あらば探ってき ます。日常会話で値踏みするのが彼らの性癖のようになっています。
間違っても、車で案内してもらえることで「VIP待遇だ」と勘違いしてはいけません。車で案内されるということは、営業マンのペースで、心理的なコントロールをされることです。
営業マンの戦略では、最終的に買わせたい本命物件が決まっており、それを契約させるためのシナリオが組まれています。最初に欠点がわかりやすい物件(絶対に決まらないまわし物件=当て馬)を見せ、本命物件がよりよく見えるように仕掛けます。
車での移動では駅からの距離感や坂道のキツさがわかりにくく、気分が盛り上がりやすいため、住まい探しの本質とは違うところで契約したい気分にさせられることもあります。ご注意ください。
タダほど高いものはない...。不動産業界では価格が不透明で、「お安くしておきますよ...」 というセリフには営業マンの下心が隠れています。その「お安く」は取引の一部の手数料や 費用を指すことが多く、全体のコストがどうなるかをしっかり精査する必要があります。
一部の要素を安くするのは、不動産業界の常套手段です。目立つ部分だけを安く見せて、他の要素に費用をまぶしてしまいます。よく使われるのが、仲介手数料、設計料、諸経費で す。これらを安く見せることで「お得感」を演出しながら、実際には全体の費用を増やしているのです。
例えば、仲介手数料をタダにすると言う業者がいますが、それでは会社は成り立ちません。 実際にはバックマージンがあり、売りたい物件を選ばせることで利益を得ています。つまり、買い手は表面的なお得感と引き替えに、知らないところで同じかそれ以上のコストを支払っているのです。
手数料の安さに惑わされて購入判断をするのはナンセンスです。大切なのは全体のコストを把握し、物件の本質的な価値を見ることです。
つまり、あなたにとって本当に大事なのは、透明性の高いデータを引き出し、表裏のないアドバイスを受けることです。そのために、仲介手数料や設計料を適切に支払うことで、それ 以上の費用対効果が得られます。住まいの購入は単なる消費ではなく、人生の投資です。
逆に、仲介手数料や設計料の価値を理解せずに損得勘定だけで動くと、業者に付け込まれやすく、騙される確率も高くなります。
新築マンションや建売戸建ての販売でも、ユーザーは完全に営業マンにコントロールされています。例えば、抽選と聞くと公平に思えますが、実際はほとんどがデキレースです。営業 マンは成約数を増やし、売れ残りを避けたいので、情報を操作します。
例えば、4000万円の住戸に申し込んだ人が5000万円の住戸も購入可能とわかると、わざと 4000万円の抽選を落とし、「5000万円の物件にキャンセルが出ました。残り1戸ですので、 特別にご案内します」と誘導することは珍しくありません。
そういえば、駅とかに置いてある住宅情報誌や、インターネットの物件情報ポータルなんかのコラムでも、毎年同じ時期に同じような特集を組んで、毎回同じ専門家が出てきて、いつもいつも、「今が買い時な雰囲気!」を一生懸命煽っているよね。これって誰得をねらってるのって思いませんか?
出来レースの現場を見られないように、抽選はサラリーマンが出席しにくい平日に行われることがほとんどです。
注意が必要なのは買う人だけではありません。自分の住まいを中古物件として売る側の人も営業マンのホンネとタテマエに注意する必要があります。
「専任媒介」とは、その不動産会社が物件の売買を独占的に扱う契約です。
営業マンのホンネは取引を独占して利益を最大化することですが、タテマエでは「専任にするとより熱心に動けます」と言います。実際は、自分の利益の最大化に熱心なだけです。
媒介契約の違い
専任媒介:
・売り主は1社のみに売却を依頼する(情報を完全にコントロールされる)
・不動産流通機構への登録は契約後7日以内
一般媒介:
・売り主は複数の不動産会社に売却依頼できる
(まわし物件というのは、他の物件を安くして良い物件に見せるために、比較材料として最初に内見させる物件のこと。だから、あせって売る必要がないので、売り主にあえて高めの値付けをさせてもいい)
そして、「これだけ見に来ているのに決まらないのか?」と、売り主があきらめた頃合いをみて、例えば「4000万円ならすぐに買いたい人がいますよ…」とか言って、極端に価格を下げさせて業者に流せばいい。そうすれば、手っ取り早く売れて、売り主からも業者からも仲介手数料がもらえるので担当者は全然損しない。損するのは、5000万円で売れたかもしれない売り主だけ。
ホントは頑張れば売れるのに、あえて頑張らず、この価格では売れないからと、ありえないほど安く買い叩かれる仕組みになっています。